残り1試合のサッカー人生

僕にとってサッカーは人生そのものだ。

生まれてから22年間全てをサッカーに注いできた。

小さい頃からプロサッカー選手になり世界で活躍するという夢を持っていたからだ。

サッカーのための食事をし、サッカーのために休息をし、サッカーのために学校の成績をとり、サッカーのために友達との遊び、他の事を制限してきた。こんな風に今までの生活の全てはサッカーのためにあった。そんな生活もあと1試合で終わる。

僕は夢を大学3年時に諦めた。

プロの練習に参加し、世界で活躍する事はおろか、日本のトップレベルにも届かないと感じたからだ。諦める決定的な理由はプロの練習に参加してだったが、頭の中で本当はもっと早くから、世界には届かないと分かっていたのかもしれない。そして本当はそこでキッパリと辞めるべきだったのかもしれない。だけど、負けず嫌いな性格から認めたくなかったからなのか、サッカーがなくなる事への恐怖からなのか、大学3年時まで諦める決断は出来なかった。

大学3年時に夢を諦める決断をしてからも、1年間サッカーを辞めず続けて来た。当時は辞めようと思った。夢を叶える為にやってきた僕にとってはもう意味がないように感じたから。だけどサッカーをしてきた。辞めなかった。

この1年間サッカー続けた理由は2つある。

1つは自身の全てであったサッカーを中途半端な形で終わらせたくなかったから。

もう1つは、恩返しするため。

僕は本当に今まで出会った全ての人のおかげここまで成長してこれたと実感している。両親、先輩、同期、後輩、先生、コーチ、その他全ての関わってくれた人の影響でここまで成長してこれた。本当に感謝している。

だからそんな全ての人に、人生そのものであるサッカーで、またサッカーに取り組む姿勢で、成長した姿を見せたいと思った。人生そのものであるサッカーで、次は相手に何かを与えられたらいいなと思った。これが僕なりの恩返しだった。

こんな想いでこの1年間サッカーを続けてきた。

それがここまで実現できたきたかはわからない。

だけど僕のサッカー人生にはまだ1試合残されている。

だから関わってきてくれた全ての人に見にきて欲しい。成長した姿をみせたいから。ここまで成長させてもらった分、人生そのものであるサッカーで、何かを返したいから。

夢を叶える事が出来なかった努力の質、量への反省、叶わないと分かりながら続けて来たことへの反省。その他多くの反省が自身のサッカー人生にはある。これまで得た反省は次の人生に活かさなければならない。

しかし後悔はないと言える。

夢に対し真摯に向き合い、信じた道を進んできたからだ。そこから全てを学んできたからだ。

今週の土曜、こんな22年間の人生を、最後の90分で表現しようと思う。